1. LTspiceとは

LTspiceとは、アナログ・デバイセズが無償で提供するSPICEシミュレータです。
LTspiceは、演算速度や収束性に優れ、ノード数制限がなく、回路・シンボルエディター、波形ビューワーを備えています。
また、アナログ・デバイセズ製品のマクロモデルを非常に多く搭載し、DC,AC,Transient解析などが可能です。
2023年11月にバージョンアップが行われ、LTspice24がリリースされました。

  • 1999年:LTspice
  • 2008年:LTspice IV
  • 2016年:LTspice X VII
  • 2023年:LTspice24

2. 主な変更点(LTspice17→LTspice24)

LTspiceとは、アナログ・デバイセズが無償で提供するSPICEシミュレータです。
LTspiceは、演算速度や収束性に優れ、ノード数制限がなく、回路・シンボルエディター、波形ビューワーを備えています。
また、アナログ・デバイセズ製品のマクロモデルを非常に多く搭載し、DC,AC,Transient解析などが可能です。
2023年11月にバージョンアップが行われ、LTspice24がリリースされました。

  • パフォーマンスの向上
    シミュレーション速度の向上
    デフォルトrtol値の変更
  • UIの変更
    ツールバーのアイコン変更
    ツールバーの"Configure Analysis"、"Tile Windows Vertically"のアイコン追加
    キーボードショートカットの変更・追加
    • ショートカットを旧バージョンに戻すには、本ページ内「3. ツールバーアイコン、キーボードショートカットの変更方法」を参照ください
  • 波形ビューワの改善
    シミュレーション実行中に波形の拡大縮小、プロットの移動が可能
    プロットペインの上下移動の容易化
    右クリックメニューの追加
  • FRA(Frequency Response Analyzer)の機能追加
    4端子のFRAプローブの追加
    位相余裕(位相 + 180)のプロット

3. ツールバーアイコン、キーボードショートカットの変更方法

ツールバーアイコンの変更

旧バージョンのツールバーアイコンを使用したい場合は、下記の手順で変更可能です。

手順

ツールバーの「Settings」→「Operation」→「Toolbar Style」→ ”Legacy” を選択

  • LTspice17.1以前は「Control Panel」でしたが、LTspice24から「Settings」に変更されました

キーボードショートカットの変更

手順

ツールバーの「Settings」→「Schematic」→"Keyboard Sortcuts"をクリック
またはツールバーの「Help」→「Keyboard Shortcut Shortcuts」を選択

"Restore LTspice Classic Values"をクリックで、旧バージョンのショートカットに変更できます。
また、各項目を選択し任意のショートカットを割り当て可能です。

  • LTspice24デフォルトショートカット

  • 旧バージョンショートカット

4. FRA(Frequency Response Analyzer)

FRA(周波数応答解析)

DCDCコンバータのようなフィードバック回路では、安定性評価(ループゲイン、位相余裕)が必要です。
オペアンプの場合は、AC解析でシミュレーションを行いますが、DCDCコンバータはスイッチング動作をする非連続な回路のため、AC解析は使用できません。

LTspicd17までは、.measureコマンドの記述とTransient解析を繰り返してループゲインを算出しました。
LTspicd17.1でFRAコマンド(Transient Frequency Response)が追加されループゲインの確認が容易になりました。
LTspicd24では4端子FRAプローブが追加され、任意のポイントの解析、反転出力や電流フィードバックの解析の容易化、トップ側フィードバック抵抗を内蔵したμModule製品のFRA解析が可能となりました。

LTspice17

LTspice17.1で追加されたFRAコマンド(Transient Frequency Response)

LTspice24で追加された4端子FRAプローブ

LTpowerCAD

LTpowerCADは、アナログ・デバイセズの電源設計ツールです。
LTpowerCADでは、DCDCコンバータの回路定数設計や上記のFRAと同じくループゲイン特性と位相余裕の確認が可能です。
また、LTpowerCADで設計した回路をLTspiceにエクスポートすることも可能です。

回路定数設定

水色のセルに条件を入力します。
赤枠のアイコンからLTspiceにエクスポートできます。

ループゲイン、位相余裕(ボード線図)