農機、建機向けAI ハードウェア選定のポイントとおすすめのハードウェア | 技術コラム
農機、建機向けAIとは?
農機・建機向けAIとは?その必要性と導入のメリット
日本は現在、高齢化や人手不足といった深刻な社会課題に直面しています。この状況を打開するための解決策として、農業機械や建設機械にAI(人工知能)を導入することが注目されています。AIの活用により、作業の効率化や省力化が期待されています。
本コラムでは、主に「目視監視/遠隔監視による自動走行」に使われるハードウェア(HW)についてご紹介します。
表:目視監視、遠隔監視による自動走行の違い
説明 | 操作・監視の方法 | |||
操作 | 監視 | 非常時の停止 | ||
目視監視による自動走行 | ・使用者が搭乗しない状態で、自動走行・作業を実施 ・使用者は目視可能な場所から周囲を監視し、非常時には手動で停止操作を行う |
システム | システム+使用者(目視範囲) | 使用者 |
遠隔監視による自動走行 | ・使用者が搭乗しない状態で、自動走行・作業を実施 ・使用者はモニター等による遠隔監視を行うが、基本的にシステムが周囲を監視し、非常時の停止操作等を行う |
システム | システム+使用者(遠隔監視) | システム |
農機・建機向けAIのハードウェア(HW)に求められる条件
農機、建機向けAIは、圃場や建築現場など振動衝撃だけでなく水や油、埃や粉塵が舞うなど、非常に厳しい環境で使用されます。
このような過酷な条件下での運用を考慮すると、AIの性能だけでなく、ハードウェアの耐環境性能も重要です。
表:耐環境性能 参考例
項目 | 試験規格 |
高温、低温 | ISO 16750-4:2006 JASO D014-4 |
振動、衝撃 | IEC60068-2-6:2007 IEC60068-2-27:2008 JIS D1601:1995 |
防水、防塵 | ISO 20653 JIS D0207:1977 |
農機・建機向けAIに推奨のハードウェア(HW)
NVIDIA JETSONを採用したハードウェア
開発済みソフトウェア資産の活用でプロジェクトを加速させます
上記の条件を満足する、過酷な条件下での運用に適用するハードウェアとして、2点のハードウェアをご紹介します。
これらの推奨ハードウェアには、NVIDIA JETSONを採用しており、開発環境と同様の使い心地を実現すると共に、開発済みのソフトウェア資産を使用できます。
開発者は新たなソフトウェアを一から作成する手間を省き、効率的にプロジェクトを進めることができます。
また、AI開発の知見を持つ、ネクスティ エレクトロニクスのパートナー企業を活用いただくことで、みなさまの開発を加速することができます。
どちらも、ネクスティ エレクトロニクスから購入いただくことができます。
ご興味があれば、お気軽にお問い合わせください。
1.NEXCOM ATC3750-IP7-8M
詳細はこちら(NEXCOM公式サイト)表:ATC3750-IP7-8M簡易スペック
項目 | 内容 |
SoM | NVIDIA® Jetson AGX™ Orin SOM 32GB/64GB |
Memory | 32GB / 64GB |
Storage | 64GB eMMC 1x SD card 1x M.2 2280 Key M |
Display | 1x HDMI2.0 |
Ethernet | 1x GbE 1x 2.5GbE |
Camera | 8x GMSL2 (MAX96712) |
USB | 2x USB3.2 Gen2 2x USB2.0 1x OTG, microUSB (Flashing用) |
SerialPort | 1x RS232 |
CAN | 2x CAN FD / CAN2.0 |
DI / DO | 4-bit input |
4-bit output | |
Power Supply | DC 9-36V (typ 24V) |
Ignition on/off Control | あり |
WatchDoc | あり |
FAN | FANレス |
Operating Temp | -25 - +70 [℃] |
Water & Dust | IP67 |
Vibration & Shock | Vibration in operating: - MIL-STD-810H, 514.8C Procedure 6, Category 4 - IEC 60068-2-64: 2.0g@5~500 Hz Shock: - MIL-STD-810G, 516.6 Procedure I, trucks and semi-trailers=40g - Crash hazard: Procedure V, ground equipment=75g |
2.ネクスティ エレクトロニクス開発 画像認識リファレンスECU
ネクスティ エレクトロニクス開発の画像認識リファレンスECUは、AIに必要な機能を防水防塵仕様の堅牢筐体に実装することで、すべてのモビリティに画像認識をお届けします。
AI画像認識リファレンスECU レンタルサービス
画像認識リファレンスECU(JAXiECU)の貸し出しサービスを実施しています。
レンタルサービスにご興味のある方は、お問い合わせください。